捨てないリフォーム

工事の現場では、本当にたくさんのゴミが出ます。

特にリフォームの現場ではまだ使えるものも間取りの変更とか、いろいろな都合でどんどん捨てられていきます。

工務店でも巨大な倉庫でもない限りなかなか転用のため保存しておくこともできず、処分費をかけても捨てざるを得ません。

今回リフォームした方は、先代の建てた家をなるべく残しつつできるだけ捨てないで使いやすく健康的な住まいにしたい、という強いご希望がありました。

今までも、リフォームでは、内心もったいないという気持ちを持たれる方が多かったと思いますが、それ以上にせっかくだから手入れがしやすくて使いやすくしかもコストも重視となると、手間をかけて修理するより、新しいものを、ということになりがちです。

今回は新築以上の手間と時間とお金を掛けて、大工さん、建具屋さん、電気屋さんなどの職人さん、工務店、設計みんなの知恵と技術を振り絞り、たくさんの捨てない工夫をして工事をしました。

ただし、健康的な日当たりと通風のため、お施主様には一部屋を捨てる勇気も出してもらいました。また、保存してあった、入りきれないさまざまな物品も処分していただきました。できるだけ以前の姿や面影を残し、はるかに健康的で使いやすい空間になったのではないかと思います。あとは、手に入れた空間を大切に育てていただきたいと思います。家の外装は老朽化するかもしれませんが、空間は使う人が作っていくものです。家を大切にする=人生を大切にするということではないでしょうか?

家族の歴史を残す家